
受け止めるということ 上巻
-入院編-
ある日突然始まった、母の入院と介護。
戸惑い、迷い、ときには立ち止まりながら、家族として向き合った日々を綴った記録。
有定虹人
この本について
いつもと変わらない日常の中で、突然始まった母の入院。
救急搬送、手術、入院生活、そして退院へ――。
次々と起こる出来事を前に、家族として何をすればいいのか。
何を選び、どこまで支えればいいのか。
病院とのやり取り、家族それぞれの考え、仕事との両立、退院後の生活への準備。正解のわからないことに戸惑いながら、その時々で考え、選び、進んでいった日々がありました。
『受け止めるということ 上巻』は、母の突然の入院をきっかけに、それまで意識することのなかった「家族を支える」という現実に向き合っていく過程を綴った記録です。
特別な家族の、特別な物語ではありません。
ある日突然、誰の暮らしにも訪れるかもしれない出来事の中で、一人の家族が何を考え、どう向き合ったのか。その時間を、できるだけありのままに綴りました。
本書で描かれていること
突然始まった入院
いつもの日常から一転して始まった、救急搬送と入院。状況がわからないまま、家族として対応していくことになります。
家族として選ぶということ
本人に代わって判断してよいのか。家族それぞれの考えの違いもある中で、「何を選ぶのか」と向き合います。
医療の中で感じたこと
手術、治療、病院からの説明。専門家ではない家族の立場から見えた医療との関わりを綴っています。
仕事と家族の間で
仕事を続けながら、病院からの電話や面会、退院の準備に対応する日々。家族を支えることは、普段の生活と並行して続いていきます。
退院、そして次の生活へ
退院すれば終わりではありません。病院で守られていた生活から、家族が支える日常へ。上巻の終わりは、その新しい生活の入口でもあります。
著者について
有定虹人
日々の暮らしの中で経験したこと、そのとき感じたことや考えたことをもとに、現実と心のあいだにあるものを言葉にしています。
大きな出来事だけではなく、何気ない会話や迷い、答えの出なかったことも含めて、一人の人間がそのとき何を感じ、どう向き合ったのかを残していきたいと考えています。
現実と心のあわいを綴る。
それが、有定虹人として書くときに大切にしていることです。
この本を書いた理由
母が入院してから、私はその日に起きたことや、医師や看護師から聞いたこと、自分が考えたことをメモに残すようになりました。
初めて経験することばかりで、わからないことも多く、次々と起こる出来事に気持ちが追いつかないこともありました。
記録することは、忘れないためだけではなかったのだと思います。
起きていることを文字にすることで、少しだけ自分の感情から距離を置き、目の前のことに向き合おうとしていました。
そうして記録を続けているうちに、ふと思いました。
これは、一冊の本になるのではないか。
そして、自分と同じように、ある日突然、病気や介護を前にして「何をすればいいのかわからない」と戸惑う人は、きっと少なくないのではないかと思うようになりました。
患者本人、家族、医療や介護に携わる人たち。それぞれに立場があり、見えているものも違います。
この本に答えを書いたつもりはありません。
私自身にも、何が正しかったのかわからないことがあります。
それでも、一人の家族が何に戸惑い、何を考え、どう選んだのか。その経験を残すことで、誰かが別の立場から何かを感じたり、考えたりするきっかけになるかもしれない。
そして私自身も、つらかった時間をただ過ぎ去った出来事として終わらせるのではなく、一つの形として残しておきたい。
そんな思いから、この本を書きました。
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